異性を意識する強烈なきっかけ(1)

これは幼稚園から家族絡みで交流のあった幼馴染の女の子へ、過去を悔やむ愚かしい男性の話だ。
女の子と男の子は小さい頃からの顔見知りで、好きな食べ物も好きな遊びも、何と誕生日も同じだった。
ベタな話だが、女の子と男の子はその言葉の意味も重さも分からずに大きくなったら結婚すると約束していた。

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両家の両親はそんな二人を微笑ましく見守っていてくれたのを、今でも覚えている。
婚約の約束から月日は流れ、互いに見て見ぬ振りが出来ぬほど、体と心に変化を帯び、女の子は女子に、男の子は男子と呼称が変わり、
段々とお互いの人間関係を築き疎遠になって行く。女子も男子も遊ぶこと、友情を一番に意識するようになっていたが、
事態が動いたのは、二人の誕生日を両家族合同で祝うことになったことがきっかけだった。

お祝い会は女子の家でする段取りとなっており、扉を開けることに懐かしさを覚えるほど、
すっかり疎遠になっていた女子と男子だったが、いざお互い顔を付き合わせて話すと昔から気心知れた仲だったということもあり、
お互いの近況報告や、自身に近しいグループの恋愛の話などで盛り上がった。

当日は家族を交えてお祝い会は女子の家で行われていて、一頻りリビングで談笑した後、男子は女子からプレゼントを渡したいからと言われ、女子の部屋に一人連れ出された。
女子の部屋に入ると、昔とは見違えるほど模様替えのなされた部屋に男子は面食らう。
ここで初めて変化に気づく、自分は異性の部屋にいるという事実に、そして目の前の女子の様子が明らかに可笑しいことに、、、。

綺麗に包装されたプレゼントを女子は消え入りそうな声で突き出す、男子は謎の緊張感に当てられてモゴモゴとお礼を告げる。
数秒の沈黙の後、女子が口を開いた。小さな声で、ずっと前から好きでした。と男子に告げる。
男子にははじめ自分に告げられた言葉の意味が理解できなかったが、聞き取った音を頭の中で再生し続けるとようやく段々と意味を理解しはじめ、
理解が進むに連れて、同調するように顔に熱を帯びるのを自覚する。目の前には不安で消え入りそうな女子がいるが、男子はそんな様子に気づく余裕はない。

なぜ、どうして、が頭を支配する。そんな様子の男子を見て、女子は咄嗟に返事は後日でも大丈夫だと告げ、部屋を出て行く。
この後、涙目でリビングに戻った女子を見て、あらぬ誤解で男子が叱られる。二人の恋の行く末は、どうなるのか、、、。